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もしもの時に役立つ防災コラム 番外編

「防災に関する質問にお答えします」第1回

「もしもの時に役立つ防災コラム」をお読みいただきありがとうございます。
昨年、2023年11月に「防災と冷食」や本コラムについて、クラブAJIREI会員の方に感想を伺うアンケートを実施しました。
そこで、たくさんの「防災と冷食」や防災に関する質問をお寄せいただきました。
本コラムにて何回かに分けて回答させていただきます。

2024年の年初に能登半島を中心とした大きな地震が発生しました。
一日も早い復旧・復興をお祈りしています。
微力ではありますが、防災について発信していくことで、いざという時に皆さまのお役に立てていただければ幸いです。

<アンケート概要>
実施時期:2023年11月10日~2023年11月27日
回答数:1,836件

Q 質問:冷凍食品はムダになる?

冷凍食品は自然災害などで長時間停電が続いたり避難所生活が長期になるとムダになるのでは?

A:回答
冷凍食品をレンチンでしか食べられないと思っていませんか?冷凍食品によっては自然解凍だけで食べられる食品もあります。
そして、加熱する方法としては、①湯煎 ②セイロで蒸す ③焼く ④煮るという方法でも食べることは可能です。
冷凍餃子や焼売はスープの具としてもOK。出汁も出るのでおすすめです。

そもそも停電時の冷蔵庫について知っておいてほしいことがあります。
停電しても冷凍室を開けなければ、3~4時間程度は冷凍食品の品質を適正に保つことができると言われています。
※一般社団法人日本冷凍食品協会HPより

急に電気がストップしても中身の食品がすぐにダメになることはありませんが、冷蔵庫内のものをそれ以上、冷やすことはできません。停電時の冷蔵庫は「クーラーボックス」と同じようなものと考えて対処しましょう。扉の開閉は最小限にするのは冷蔵庫も冷凍庫も同じです。
扉を開けなければ保冷効果は保たれますが、開けてしまうと冷蔵庫内の温度は上昇してしまいます。不用意な扉の開閉は避け、必要な時も素早く取り出しましょう。

停電すると冷蔵庫の中の食品を冷たく保つために、クーラーボックスに移し替えようと考える人も多いかもしれません。しかし、あらかじめクーラーボックスを冷やしていない場合には、冷蔵庫の中に食品を入れたままにしておくほうが安全なこともあります。クーラーボックスが冷えていないと、入れた食品の温度が上がってしまう恐れがあるからです。また、食品をクーラーボックスに移し替える際に冷蔵庫を何度も開け閉めすると、庫内の温度が上がってしまいます。冷蔵庫に入れたままにするほうが食品を冷たく保つことができるのです。

冷蔵庫
普段から冷蔵庫内が食材でぎゅうぎゅうになっていませんか?ぎゅうぎゅうに詰まった食材で「冷気の吹き出し部分」をふさいでしまうと、停電してなくても冷蔵庫内は冷えにくい状態になってしまいます。冷蔵庫内は余裕をもたせることで停電時も冷気を冷蔵庫内に行き渡らせることができます。

冷凍庫
冷凍庫の場合は、隙間なく食材や保冷剤を詰めておきましょう。食材がお互いに保冷剤の役割を果たし、停電時の庫内の温度上昇を防ぐことができます。余った隙間は、保冷剤や水の入ったペットボトル(冷凍対応用)を入れて冷凍しておくと効果的です。

冷蔵庫の上部に保冷剤を置く
冷たい空気は上から下に流れていきます。そのため、冷蔵庫の上部に保冷剤や水等を凍らせたペットボトルを置いておくと、冷気が冷蔵庫内の上から下に流れ、庫内全体を冷やす効果があります。

冷気を長持ちさせる対策まとめ
•冷蔵庫・・・詰め込みすぎない
•冷凍庫・・・詰め込んで密着させる
•扉の開閉は、必要最小限の回数にする
•保冷剤を入れておく(上の方に置くと効果的)

Q 質問:災害用品はどこに置く?

非常食、避難袋など災害用品は家のどこに置くのが最適でしょうか?家が狭いので非常食や防災グッズの置き場所がなくて困っています。

A:回答
私は災害用の備蓄という形でわざわざ家に食材を置いていません。基本的に普段から食べるものを少し多めに置いています。食材のメインストックはほぼキッチンに置いています。しかしキッチンが被災してぐちゃぐちゃになると取り出すことができない。だから少しずつ小分けして、紙袋や収納箱などに分けて部屋中に点在しています。
寝室やリビングなどにもインテリアにあった収納箱を用意し、備蓄しています。また防災リュックは玄関に置いておくのが1番取り出しやすいと考えています。なので、靴箱の中に入れています。我が家の靴箱にはほとんど靴が入っていません。
靴はそれぞれ各自の部屋でストックし、季節ごとによく履くもの3種類ぐらいを靴箱の中に入れています。

ちなみに、我が家は、現在240Lの水を500ml、1L、2Lと容量を変えて備蓄をしています。
※大人1人あたりに必要とされる1日分の水の最低量は、飲料水2Lと生活用水1Lの合計3Lです。我が家では年4回の防災訓練の経験から1日6L(飲食用水3L・生活用水2L・猫用飲水1L)の水を2人分×20日分合計240Lを目安にストックするようにしています。
レスキューナースの防災訓練(日常編)

段ボールをそのまま置いておくと圧迫感があるので、100円均一ショップで買ってきたリメイクシートを貼ってインテリアに馴染ませています。また、紙袋に小分けをしてデッドストックに置いています。何度かテレビ取材で我が家の備蓄状態を見てもらったことがありますが、どの方も「この部屋に水がそんなにあるようには思えない」とおっしゃっていました。そしてローリングストックしているキッチンのストックヤードを見てもらった時も、「これだったらできる」とおっしゃっていました。

レトルト食品やパスタソースなどはそれだけで食べるのではなく、組み合わせて他の料理としてアレンジして食べています。実際に食べていただいたら、「こんなにおいしいものが簡単に作れるなんて…」「普段からやっておいたほうがいいなぁ」と喜んでおられました。

災害のためだけに備蓄する意識ではなく、家にあるものと災害用備蓄は組み合わせて使う、と考えるとストックするハードルも少しは下がるのではないでしょうか。

Q 質問:災害時の連絡手段

阪神・淡路大震災の経験者なので、災害時の避難等については家族で普段からよく話しています。連絡が取れないときは、自宅の一番近くの中学校に集合という事は決めているのですが、災害時の連絡の取り方について最善の方法があれば知りたいです。

A:回答
普段から家族がどんな道具やツールを使って連絡をしているのかによって大きく変わると思います。
私の実家と家族に関して言うならば、基本的にはスマートフォン(スマホ)です。そのため、スマホのメッセージアプリを活用しています。安否確認や自分がいる場所などを簡単に送れる機能がたくさん付いているものもあります。しかしこれも普段から使っておかなければいざというときには使えません。
なので、普段の連絡手段にもメッセージアプリを使って、自分のいる場所の地図を送るなどのシミュレーションをしておくことが必要だと思います。

他には、災害用伝言ダイヤルも使っています。毎月1日と15日は体験利用日として試すことができますので、ぜひこれも実際に試してみてほしいと思います。
そしてアナログな方法ですが、玄関にメモを貼る。しかし、そのまま放置すると防犯上問題があるので、我が家では玄関の外の特定の場所にメモを隠すようにしています。そのメモも隠している場所が被災して崩れるかもしれないので1つではなく3箇所ぐらいに置くようにしています。

順番としては①LINE ②災害用伝言ダイヤル ③メモの順
で連絡を取れるように用意をしています。こういうルールも家族で決めておかなければ、闇雲に連絡を取ろうとして焦り不安が募ります。

執筆者:国際災害レスキューナース 辻 直美
※コラムの内容は、筆者の経験に基づく見解です。
2024/2/20掲載