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もしもの時に役立つ防災コラム

冷凍食品って困った時のオタスケマン

こんにちは。国際災害レスキューナースの辻直美です。
私はこれまで国内外合わせて30ヵ所以上の被災地に入って活動をしてきました。私の経験をもとに日頃からの心がけ・備えなどみなさまにお伝えしていきたいと思います。

冷凍食品と日本の食生活

日本の冷凍食技術は、本当に素晴らしく、安心して食べられるもの、栄養価が高いものがたくさんあります。しかしうまく利用できてない人が多い。その上、日本では冷凍食品を使うことに罪悪感を抱く方が本当に多いと感じています。うまく使えば節約にもなります。何よりも安心安全な食品のうえ、常温のものより長期保存が出来ます。いろんなシチュエーションでオタスケマンになる冷凍食品!これをどんな風に使えばいいのかをお伝えしたいと思います。

冷凍食品をネガティブに捉えている理由と対処法

1. 食文化との関連性:

日本は食に対して高い価値を置く文化です。季節の食材や手作り料理が重視され、家庭での調理や食事の準備が大切にされてきました。そのため、冷凍食品を利用することは、一部の人にとっては伝統的な食文化との関係性に矛盾を感じさせることがあります。
冷凍食品を利用することに対して罪悪感を抱く場合は、自分自身の価値観とのバランスを見つけることが重要。冷凍食品を完全に否定するのではなく、忙しい日や特別な場合に利用するなど、状況に応じて柔軟に考えることが大切です。

2. 健康や栄養への懸念:

一部の人は、冷凍食品が不健康で栄養価が低いというイメージや添加物や保存料が使用されていると思っていませんか?冷凍食品は冷凍保存しますので保存料は使っていませんよ。また、添加物はきちんと表示することが義務付けられているので、選ぶ際には表示を確認してみてください。味の素冷凍食品の製品はパッケージに添加物の解説が記載されていますのでとても判りやすいです。さらに、冷凍食品は出来立て・作り立ての味を急速凍結していますので栄養成分がほぼそのままの状態で保たれています。自分の目で見て確かめて、製品を選んで活用することができます。
私は先日、味の素冷凍食品(株)関東工場に見学に行ってきました。そこで見たものは・・・私の予想を遥かに超えた手間ひまのかけ方でした。これだけ技術が進んでいるので、ほとんどがオートメーションで、最後の検品で、人の手が入ってるのかなあと思っていたのですが・・・大きく裏切られました。餃子を作る過程の一番初め・・・。なんとキャベツを切るのは「人」なんです。包丁で1人1日6000個を切るとおっしゃってました。

栄養価も損なわず、そしてその素材の食感を最大限に生かすような作り方をしているのを見て、心が熱くなり、涙が溢れてきました。と、同時に、ここまで丁寧に作っているのを、私たちって知らないんだなぁと恥ずかしく思いました。

そして、この工場内に入るまでには、あらゆる手順がありました。従業員が工場内に入る際には、衛生管理が徹底されており、作業着や帽子、手袋で肌が見えないように装着する。靴下もくるぶし丈ではNG。なので、靴下、着替えました(汗)そして工場内に入ってからトイレに行くのは、非常にめんどくさいと思ってしまう(笑)それぐらい丁寧な手順がいっぱいありました。
私はナースなので、清潔の手順には結構うるさいです。その私が「ここまでやってるのか・・・」と心から感心感動しました。まず髪はヘアキャップで全て覆います。髪が混入すればおおごとです。なので、髪一本たりとて外に出ないようにするのは、感染対策、清潔を保つ上で非常に有効だと思いました。そしてつなぎを服の上から着ます。これで外界と自分の肌をシャットダウンします。そして帽子。首までしっかり覆います。そしてマスクと手袋。自分の肌や髪と工場の内の空気の接点はどこにもありません。手袋をはずして手洗い、粘着テープで60秒間体に付着するものを取り除きます。この60秒が意外と長い(笑) しっかり除去できるなと思いました。その上でエアジェット、ミストなどをかぶって作業する工場内に入れます。ここまでの徹底管理であれば、感染源も入らないし、人間に付着する微生物も取り除けると思いました。そして極めつけは「金属探知機」を通ります。飛行場のセキュリティーと同じです。ここまでくると何も持ち込めません。

そして万が一何かが混入されたとするならば、それは工場の中にいる職員が意図しないと難しい。それを防止するために、安全安心に対する行動がたくさんありました。
工場の中にいる職員がマイナスな行動をとるのは、会社に対する不安やストレスがある時。しかしこれもまたびっくりで、工場見学に来た私に、どの方も目を合わせてにこやかに挨拶をしてくださいました。(いろいろな工場見学をしてきて、全員が笑顔で声も出して返事をされる・声をかけられるのは、はじめての経験でした。)担当の方に聞いてみると、お客様、地域、取引先、そして従業員を大切にしているとおっしゃっていました。従業員を大切にする取り組みをしてるからこそ、あんな笑顔で私を迎えてくださったんだろうと確信が持てました。そんな方々が作っている餃子がおいしくないわけがない。私は工場見学に行ったことで、味の素の冷凍食品の製品は安心安全が担保され、栄養もきちんと取れるものだと確信を持っています。

3. 手作り料理や季節感の欠如:

冷凍食品を利用すると、手作り料理や季節感のある食事の機会が減ることがあります。これにより、食事の楽しみや家族とのコミュニケーションの機会を失うと感じる人もいます。
冷凍食品を利用する際には、手作り料理や季節感を取り入れる方法を模索することが重要です。例えば、冷凍食品を使って鍋ひとつでできるワンポット料理をアレンジしたり、旬の野菜を添えたりするなど、自分なりの工夫を加えることで、手作り料理の要素や季節感を感じる料理にすることで、そのマイナス点は払拭されると思います。

私が冷凍食品をもっと日常で使ってほしい理由

①時間の節約と便利さ

忙しいサラリーマンや、子育て・介護に忙しい方、一人暮らしの学生や社会人にとって、時間の節約と便利さをもたらします。また、冷凍食品は常備食としてストックしておくことができるため、急な食事の用意にも対応できます。

②栄養バランスと品質の保持

栄養バランスを考慮した食事を手軽に摂ることができます。多くの冷凍食品は、栄養価がバランスよく設計されており、必要な栄養素を含んでいます。また、食材が新鮮なうちに冷凍されるため、品質が保たれます。これにより、栄養価の高い食事を手軽に摂ることができます。

③長期保存と無駄の削減

冷凍食品は、長期保存が可能であるため、食材の無駄を減らすことができます。例えば、大量に調理した食事をホームフリージングしておけば、必要な時に少しずつ使うことができます。また、食材の保存期間が延びるため、賞味期限が迫ってしまった食材を無駄にすることが少なくなります。(スーパーで購入する冷凍食品とは違いますのでお早めに使ってください)

④多様な選択肢と味のバリエーション

冷凍食品には、多様な種類や味のバリエーションがあります。様々な料理や世界の料理、ヘルシーなオプションの食材など、自分の好みやニーズに合わせた食事を選ぶことができます。さらに、冷凍食品は調理済みであるため、味や風味もしっかりと楽しむことができます。

以上のように、冷凍食品は忙しいサラリーマンや子育て、介護に忙しい方、一人暮らしの学生や社会人にとって、豊かな食生活を送るための便利なアイテムとなり得ます。そして、災害時にも大きく貢献するものだと思います。

そのままも良し、しかしアレンジはなお良し!

最近の冷凍食品はバリエーションが豊かで、電子レンジで温めなくても、自然解凍で食べれるようなものも増えてきました。もちろんそのまま食べてもおいしいのですが、ちょっとアレンジを加えたらごちそうにもなります。
前回のホットサンドメーカーの回でもご紹介しましたが、餃子や焼売を電子レンジに通して食べるのは本当においしい。しかしこれを具材として鍋に入れたり、カレーの具にしたりすると、それはそれでまたおいしいのです。この2つはいろいろな料理に変身できる私の必須アイテム。ラザニアになったり、マーボードーフになったり、チャーハンの具になることもあります。
最近私がよく使うのはお弁当用の冷凍食品。これらのアレンジ料理は、冷凍食品をお弁当以外の料理に活用することで、新たな味わいやバリエーションを楽しむことができます。
別の料理を作るアレンジの例をいくつかご紹介します。

①冷凍おにぎりの揚げ焼き

解凍したおにぎりをフライパンの底から1センチほどの油で、両面をカリッと揚げ焼きにすれば、外側はサクッとした食感、中はふんわりとしたおにぎりが楽しめます。ソースやドレッシングをつけてアレンジするのもおすすめです。

②冷凍から揚げをサンドイッチに

冷凍のから揚げを使って、おいしいサンドイッチを作ることができます。から揚げを解凍して適当な大きさに切り、サンドイッチの具材と一緒にパンに挟んで食べるだけです。キャベツやレタス、マヨネーズやソースを加えると、ボリュームのあるサンドイッチに仕上がります。これをホットサンドメーカーで挟めば、さらに食感が変わって、食欲も増してきます。

③冷凍餃子のスープ

冷凍の餃子を使って、おいしいスープを作りましょう。鍋に餃子とスープの素(例えば鶏ガラスープや味噌汁の素)を入れて煮込むだけです。野菜や豆腐を追加してもOK。具材が温まり、スープがおいしくなるので、冷凍食品を利用して手軽にホットなスープが楽しめます。

冷凍食品が普段の料理のオタスケマンとなるには?

1. 解凍方法を確認する: 冷凍食品のパッケージや説明書に解凍方法が記載されています。解凍方法は冷蔵庫・流水解凍から、電子レンジやオーブンなどを使って加熱解凍する方法など、商品によって様々ですのでぜひ見てください。

2. レシピのアレンジ: 冷凍食品を使ったレシピを探したり、既存のレシピをアレンジして冷凍食品を組み入れる方法を考えてみましょう。今回私がご紹介したものは、ほんの一部です。皆さんもどんどんレシピを作って試してみてください。

3. 調味料やトッピングの追加: 冷凍食品には既に調味料が含まれている場合がありますが、味を引き立てるために自分の好みに合わせて調味料やトッピングを追加することもできます。例えば、冷凍ピザにお好みの具材をトッピングする、などです。

4. 加熱の注意点: 冷凍食品を調理する際には、適切な加熱時間と温度を守ることが重要です。食品の安全性を確保するため、調理の際にはパッケージに記載された指示に従いましょう。

パッケージ記載の「ギョーザ」調理方法

また、冷凍食品を購入する際には、栄養価や原材料、保存期間などに注意して選ぶことも大切です。丁寧に作られた冷凍食品だからこそ、よりおいしく、そしてより便利に、日常的に使っていく。冷凍食品もお気に入りをストックしておけばOK。それをローリングストックしていけば時間に余裕が生まれて、心の余裕が生まれます。毎日仕事や育児家事で疲れ切って、料理を作るのも大変と言う方もたくさんいらっしゃいます。食事は、心の豊かさのバロメーター。なので、もっと気軽に、冷凍食品を使ってみて欲しいなぁと心から思っています。

執筆者:国際災害レスキューナース 辻 直美
※コラムの内容は、筆者の経験に基づく見解です。
2023/7/20掲載