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もしもの時に役立つ防災食コラム

キャンプギアは日常に使うべし!

こんにちは。国際災害レスキューナースの辻直美です。
私はこれまで国内外合わせて30ヵ所以上の被災地に入って活動をしてきました。私の経験をもとに日頃からの心がけ・備えなどみなさまにお伝えしていきたいと思います。

キャンプギアをもっと「普通に使おう」

キャンプギアは頑丈で、非日常の中で生活を営むためのものです。だからタフで使い勝手が良く、色々な使い方ができます。つまり防災グッズとして非常に使い勝手がいいんです。キャンプギアを使いこなしたら、大抵のことは可能です。調理に関しては、どんなものでも作れます。食材と燃料さえ確保したら、普段と変わらないものを食べることが可能になります。住居についてもテントや寝袋など災害地でも使えそうなものがたくさんあります。
キャンプに精通している方は、ギアが増えて保管に困るという声をよく聞きます。だからこそ日常生活でどんどん使う。全く持っていない人は吟味して防災グッズとして日常に使う。“キャンプギアを日常使いし、生活用品をキャンプに持ち出す”という方法をおすすめしています。これで保管するものはグッと減ります。なによりキャンプに持ち出す生活用品はないかな?という視点が生まれ、日常生活がもっと楽しくなります。

キャンプギアって何?

キャンプギアとはキャンプで使う道具のこと。
ギアは英語で、直訳するとギア(gear)=道具
つまりキャンプで使う道具の総称が「キャンプギア」となります。
キャンプギアという呼び方は、キャンプブームのおとずれと共に一気に普及しました。キャンプ道具、キャンプギアどちらの呼び方でも問題ありませんが、同じ意味ということは知っておきましょう。キャンプに持っていく道具には、テントや寝袋、チェア、テーブル、クッカーやカトラリー。BBQグリル、焚き火台、調理用にメスティンやダッチオーブンなどがあります。実は日常的にも使えるギアがたくさんあります。

最近では100円均一ショップ(以降百均)にもたくさんの商品があります。もちろんキャンプ専用グッズの方が耐久性や使い勝手が断然いいです。こまごまとした消費ものだけではなく、キャンプ用シェルターやタープなど百均やホームセンターでも十分に使えるものがたくさんあります。普段キャンプに行かない、まだしたことがない、まだ興味がない方は、まず百均で購入してみてはいかがでしょうか?近年キャンプブームの波がきて、痒いところに手が届く商品が増えてきました。あらゆる物が大体100円程度、調理用のホットサンドメーカーなどは1,000円程度で手に入ります。おうちキャンプ、その先に防災用グッズとして考えるなら、入り口は気軽に手に入るものからでも良いと思います。

おうちキャンプこそが防災訓練になる!?

おうちキャンプという言葉をご存知でしょうか?
コロナ禍で一気に人気が出たキャンプ。しかし外に出ていけないから、家でできる範囲でキャンプをするんです。テントをリビングやベランダに建てて、そこで過ごしたり、寝たりする。キッチンは使えるけど、あえてキャンプギアを使って料理をする。ベランダで食べたり、飲んだり、語ったりする。非日常のちょっとした不便な中で楽しさを見つけることが、不安で制限のある生活の打開策として、はまったのではないかと思います。

そもそもキャンプというのは非日常の中で衣食住を楽しむイベント。ということは限られた環境や物の中で、いかに豊かに過ごすかというのがテーマです。これこそ私が考える災害時の避難生活!我慢して最低限のしょぼい生活ではなく、限られた中で最大限に満足できる生活をするのが目標です。そのためにもちょっとした不自由の中で楽しさを見つける練習や、キャンプギアに慣れていくことが必要です。
一番楽しいのは料理でしょう。たかがカレー、されどカレー。おうちキャンプでのカレーは、いつもよりも何倍にもなっておいしく感じられます。それは環境のせいではなく、使い勝手の良いギアのおかげでもあると私は感じています。

その次はベッドではないところで寝ること。寝袋がなくても段ボールでベッドを作ってベランダで寝るのもなかなか楽しい体験です。家の中でも広げられるサイズのテントや日除けシェードなども最近では気軽に手に入るようになりました。テントの中は秘密基地っぽくてワクワクしてきますよ。子どもの気分になって思い切り楽しんでみてください。ちょっと不自由だけど、その中からしたいことを諦めずにやってみる。色々工夫してやりたいことをより近い状態にするには、何回もやって試行錯誤する。だんだんと不自由の中からの快適を手に入れるようになります。それこそが防災訓練になっているんです。

あなたの生活を彩る調理用のキャンプギアたち

スキレットやダッチオーブン、ホットサンドメーカー、メスティンも小さいながらもかなり本格的。1,000円程度で手に入るのでぜひチャレンジしてみてください。
スキレットは鋳物のフライパンです。これでお肉を焼くと、なぜかなんでもおいしく感じます。パンケーキもじっくり火が入るので、ふっくらと仕上がります。餃子は間違いない(笑)カリッ、パリッとした焼き上がりに思わず笑顔になります。スキレットはそのままオーブンにも入れられるので、普段はもちろん、キャンプ用オーブンに入れて使うと料理の幅が広がりますよ。
ダッチオーブンは鋳物の蓋付きの鍋のこと。煮る・揚げる・炒める・蒸す・焼くが全てできます。無水鍋や圧力鍋のような効果もあるので、時間が短くてもおいしく仕上がります。

イチオシはメスティン。これは四角いアルミの飯盒のことです。大きさも0.8合から2合までいろんなサイズがあります。メスティンと一緒に使うのが組み立て式の五徳と固形燃料。この3つがあればたいていのものは作れます。

メスティン調理で有名なのは、自動炊飯。簡単にご飯が炊けます。メスティンに水で洗ったお米をいれて蓋をして15分浸水。その後、固形燃料をつけて20分加熱します。火が消えたら10分放置、それでご飯が炊けています。炊飯器では味わえないお米の甘さとおこげが最高です。こんな調理法を日頃からしておけば、電気やガスがなくてもおいしい温かい食事を食べることが可能になります。

そして夜になったら、シーリングライトを使うのではなく、ぜひランタンを使ってください。昼間にソーラー充電したガーデンライトでもいいですね。間接照明で照らした部屋は、いつもよりもあったかくてのんびりした空気感になれます。

このようにアウトドアでなくても、家の中でもキャンプ気分は楽しめます。そして楽しみながら回数を重ねていけば、どんどん生活スキルが上がってきます。行動力、決断力、アレンジ力は、キャンプでも防災でも必ず使う力です。そして日常生活でも、ビジネスでもほしい力です。楽しみながら、生活が豊かになる。いざというときにはその力を使って、トラブルを乗り越える。トラブルの極みが災害です。災害対策として必要なスキルを、おうちキャンプで、キャンプギアを使いこなしながら手に入れる。こんなに面白く防災力が手に入るなら、やってみませんか?

あなたの譲れないこだわりこそ大事にしよう

あなたは生活の中で、何が譲れない大事なポイントでしょうか?睡眠?清潔(衛生)?食事?住環境?それによっても、備蓄するもの、使いこなすテクニックも大きく変わってきます。もちろんどれも大事だし、どれも譲れないのはわかっています。そのなかでこれだけは絶対に譲れないものはなんでしょうか?これがあなたの被災生活でも絶対に必要な物になるんです。
人によって譲れないこだわりって本当に違います。例えば、睡眠。枕が変われば眠れない人、周りの音があると気になって仕方ないという人もいます。その自分のこだわりを解消できるものが防災グッズとして必要になります。それをキャンプグッズの中から選んで、自分の使い勝手のいいものを選んでおくことが大事です。
物は買ってくるだけでは快適は手に入りません。実際に使うことで、自分に合うのか、合わないのかが見えてくる。肌触り、匂い、触感などの好みは、災害時のようなストレスのかかる環境ではとても大事な要素になります。

以前、防災リュックを作るイベントをした時に、ドライシャンプーを4人の男女に試してもらいました。4人全員その商品を知っていました。しかし使ったことがない。こういう方は意外に多いんだろうなと思います。4人に実際に使っていただいたところ、意見はバラバラ。匂いが全くダメという方もいたし、仕上がり感が苦手な方もいました。その質感も液体がいいという人もいたし、スプレーのパウダー状のものがいいという方もいました。
そこで全員一致した意見は、「これが被災前で良かった。」「もし何も無くなって、かなりきつい状況になっているのに、自分の苦手なものしかなかったら耐えられない」とおっしゃっていました。

防災グッズを気軽に使ってお気に入りを見つけておこう

防災対策というと、ついつい物を買いがちです。メディアで防災特集があった次の日はホームセンターでたくさんの人がグッズを買いにくる風景をよく見かけます。私の講座の受講生たちからもそんな話をよく伺います。そこから少し突っ込んだ話を聞くと・・・「買ったままがほとんどです」と苦笑い。多分あるあるのお話なのではないでしょうか?防災グッズは基本的には普段は使わないものです。その時にのみ使うようなものもあります。普段滅多に使うものでなかったら、使う体験もないし、いつの間にかクローゼットの奥の方に追いやられてしまいます。使い方がわからないのは、災害時にトラブルが起きる元になります。被災生活がそれのせいでストレスフルになるかもしれません。もしかしたら命に関わるかもしれません。
物は普段から使う。自分の好みを見つけて快適に過ごす。それがおうちキャンプです。慣れたらデイキャンプ、そしていつかはお泊まりキャンプを目指してください。キャンプギアを日常遣いにしておけば、いつの間にか慣れて、もっとテキパキと使いこなせるようになります。

私の最近のお気にいりは メスティンでご飯を炊き、ダッチオーブンで丸ごと玉ねぎを焼くこと。本当においしいし、簡単なんです。ベランダにはバタフライチェアを置いています。間接照明は全てソーラー充電のガーデンライトとランタン。とても快適な空間です。これらは全て百均とホームセンターで購入したもの。クチコミを読んだり、使ってる人から使い勝手を聞いてみたり、実際に店に足を運んで確認し選んだものです。そして大阪府北部地震の時には、これらの物たちが大活躍でした。ライフラインが全て断絶してるのに、衣食住に関して90%は普段と変わらない状況を手に入れることができました。普段からキャンプギアを使っていて本当に良かったと心から思っています。あなたにも、普段もいざという時も、快適な生活を手に入れてほしい。まずはキャンプギアのサイトをみることから始めてみてください。

執筆者:国際災害レスキューナース 辻 直美
※コラムの内容は、筆者の経験に基づく見解です。
2023/5/22掲載