研究・開発系(研究)

コーポレート本部 研究・開発センター
技術開発部 基盤技術グループ
2016年入社 農学生命科学研究科修了

担当業務

食のバリアフリー化などの技術検討

私は技術開発部の基盤技術グループで、動物性原料を植物性素材に代替したプラントベースの餃子や、小麦不使用の餃子の皮の開発など、文化や信条、健康面など様々な背景を持つ方々が同じ食事を楽しめる「食のバリアフリー化」に取り組んでいます。また、フライパンに張り付きにくい餃子の羽根の素の設計など、お客様にとってさらに便利な餃子を実現する技術も検討しています。現在、私は研究職として勤務していますが、味の素冷凍食品での研究と大学時代の研究との違いは、多くの人と関わりながら業務を進める点にあります。業務を進める上で、社会的・経済的に必要な技術の「理」を説くだけでなく、一緒に仕事をする人の気持ちを尊重しながら、困っている人を助け、自分が苦手なことは誰かにサポートを求めるなど、良好な人間関係を保つ上で、「情」の要素も不可欠だと感じています。

やりがい最前線

グローバルで求められる原料代替技術。
今以上に自然な原料で実現したい。

近年、研究・開発センターでは積極的に海外のテーマを増やしています。プラントベースやグルテンフリーの餃子などは既に海外への輸出も行っていますが、今以上に自然に近い原料でこれらの商品を生産できるようトライしています。しかし、卵や小麦などの既存原料には多くの利点があります。例えば餃子の皮の小麦であれば、グルテンに由来する弾力性と粘性を併せ持ち、単一で小麦を完全代替できる原料はなかなか見つかりません。そこで私たちは、既存原料が持っている多機能性を機能ごとに一度分解し、それぞれの機能を代替できる原料を探索するというアプローチを取っています。
普段の業務では海外のパートナーと英語でやりとりする機会が多く、研究においては工業的な大量生産までを見据えた検討を行います。その上、複数テーマを同時並行で進める必要もあります。難しい仕事ですが、日常生活に近い食品科学に触れられる点、好奇心ドリブンで仕事が進められる点、そして自分が携わった商品が上市される点などが、私にとって味の素冷凍食品で働く魅力です。

私らしさの素

類似品もなければ、自身の経験値も少ない。
数々の制約の中でベストを尽くした
商品開発。

入社2年目の頃、当時所属していた開発グループで「夜九時のひとり呑み」シリーズの開発を担当したことが印象に残っています。中食向けの商品として構想が始まりましたが、当社には過去に類似品がほとんどなく、また海外工場で生産を行うため、入手できる原材料にも制約がありました。
当時、私はシリーズの中から3つの商品を担当しましたが、特に苦労したのは自分たちが求める高品質の原料を現地で入手することや、入手可能な調味料や原料で、日本の市場が求める味や品質を再現(マッチング)することでした。現地で使用できる原料の中でレシピやフローを考え、生産ラインへの落とし込みのためにタイの工場にも何度も足を運び、お客様はもちろんのこと、自分自身も「おいしい」と思える商品をめざしました。今の自分からすれば、「もっとこうすればコストを抑えつつ、おいしくできた」と思う点はありますが、当時の状況の中で自分のベストは尽くせたと思います。やりがいを持って取り組めただけでなく、自分自身の成長にとっても大きな意義のある仕事でした。

私の進化系

スペシャリストとして強みを磨き、
不可能と思われる商品を実現したい!

私はもともと研究が好きで、学生時代には博士課程に進むかどうかで悩んだ末、最終的に味の素冷凍食品に入社しました。今後のキャリアプランとしても、基本的には研究系のスペシャリストになりたいと考えています。
レシピや配合面についてはこれまでのキャリアで理解が進んできたので、次は設備周りにも詳しくなりたいですね。冷凍食品を生産する上では、ラボでレシピを組むだけでなく、それを製造する工程に落とし込むことも重要です。世の中には多くの生産設備があり、それらの設備面の知識も習得すれば、社内でも貴重な知見を持つ人材になれると考えています。
将来的に味の素冷凍食品で実現したいのは、レンジ調理でも油で揚げたように衣がカリカリの唐揚げをつくることです。技術難易度は高いですが、かつて不可能と思われていた商品が実現した例もあることから、決して不可能ではないと考えています。実現不可能と思われていることにも積極的に挑戦していきたいです。

1DAY SCHEDULE

ザクザク解答 5Question

  • Q1

    選考時の印象を教えて?

    一次面接の時の面接官が、気さくで話しやすい雰囲気をつくってくださり、志望度が上がりました。入社後はその面接官と同じ開発グループの所属となり、入社以来、今もずっとお世話になっています。

  • Q2

    入社前後に感じたギャップは?

    入社時はペーパードライバーでしたが、最初に配属された当時の研究所は、車がほぼ必須のエリアで驚きました。会社の運転講習や休日の同期との温泉旅行などを経て、徐々に不自由なく運転できるようになったのは良かったです。

  • Q3

    新人時代の思い出を聞かせて?

    初めての出張で、四国工場でのテストに立ち会った時のこと。出張期間中は、早朝からテストを行い、夜は連日懇親会だったのですが、メンターがタフにこなす様子を見て、体力とバイタリティの重要性を感じました(笑)

  • Q4

    所属部署の雰囲気は?

    穏やかで優しい人が多いです。技術開発部はキャリアのバックグラウンドが多様で、工場の開発導入グループや品質管理部から来た人、グループ会社に出向経験のある人、キャリア採用の人など、それぞれの専門性を活かしながら切磋琢磨しています。

  • Q5

    入社後に必要な資格やスキルは?

    資格やスキルというよりも、強いて言えば、効率の良い試作や実験を実施するための論理的な思考力、起きている現象を正しく捉えるための自然科学的な素養、他の人の協力を引き出すためのコミュニケーション能力などが挙げられると思います。

推したい逸品

業務用 プチカヌレ
(フランス産発酵バター使用)

表面のカリっとした食感と、糖が焦げたビターな風味が最高です。一時期、開発担当の社員がカヌレの焼型の耐久テストをしていたことがあり、連日、研究・開発センター内に大量のカヌレが供給されました。あまりにおいしいので皆食べすぎてしまい、センター内でカヌレ太りが相次いだことは言うまでもありません(笑)