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もしもの時に役立つ防災コラム

ガスと電気がなくてもおいしいご飯を食べたい

こんにちは。国際災害レスキューナースの辻直美です。
私はこれまで国内外合わせて30ヵ所以上の被災地に入って活動をしてきました。私の経験をもとに日頃からの心がけ・備えなどみなさまにお伝えしていきたいと思います。

現代のライフスタイルは、料理をするときに、ガスや電気を使うのは当たり前。その上、多忙な日々の中で簡単においしい料理を楽しみたいという欲求があります。災害時にライフラインが切れたら、おいしいご飯が食べられないのではないかと不安になっている人がたくさんいらっしゃいます。
実はガスや電気がない環境においても、手軽においしいご飯を作ることは可能です。特に、あまり料理が得意ではない方にとっては、カセットコンロや冷凍食品の有効活用が鍵となります。他にも食事を作るテクニックはたくさんあります。
今回はこれらのアイテムを使って、日常でも災害時でも、簡単でおいしい料理ができることをご紹介します。

1.カセットコンロの活用

カセットコンロは、ガスや電気がない状況でも手軽に料理を行うための優れたアイテムです。カセットコンロがあれば大抵の料理は可能です。焼く、炒める、煮る、蒸す、揚げるという、料理に必要な調理法のすべてが可能です。ただし火加減に注意しないと、すぐに焦げてしまったり、カセットボンベがすぐなくなったりすることがあります。
日頃から使い慣れていないと失敗することもあるので、気をつけてください。

また、カセットコンロにもいろいろなタイプがあります。卓上で鍋や焼肉などに使うものや、キャンプで使うようなコンパクトなものもあります。私はどちらも持っていて、用途に合わせて使い分けています。最近ではキャンプ用の小さなカセットコンロを災害時に調理スペースが少なくても、おいしいものが作れるような練習だと思って使うようにしています。

全く使ったことがない人は、カセットコンロを使用してできる基本の料理から始めましょう。1番簡単なのは即席ラーメンやゆで卵、パスタです。カセットコンロを使ってお湯を沸かす。そのお湯で料理するもよし、湯煎をして調理をするもよし。カセットコンロ、水、鍋、これだけでも可能性がたくさんあるのです。
次は炒め物にも挑戦してみましょう。簡単な野菜炒めであれば、冷凍の野菜を使うことができます。必要な材料は冷凍野菜、お好みの調味料、そしてカセットコンロ用の鍋やフライパンだけです。これにより、栄養価も留めつつ、手軽においしい一品を作ることができます。それだけでは足らないなという人は、ウインナーやハム、ベーコン、冷凍から揚げや、冷凍シュウマイを入れても良いと思います。

2.固形燃料の利用

固形燃料は、手軽に火を起こすことができるため、屋外での使用に最適です。サイズも小さく、軽量なため、リュックに入れて持ち運ぶのも簡単です。調理中の煙や不快な臭いが少ないのも利点です。
また、災害時のライフラインが断絶した際に非常に便利です。燃焼時に安定した熱を提供し携帯用ストーブや暖房具と併用することで、調理や暖を取ることが可能です。また、密閉した状態で冷暗所で保管すれば長期間保存できるため、備蓄としても優れています。災害時の非常時の選択肢として、利用価値は高いといえます。

3.メスティンの魅力

メスティンは、アルミ製の調理器具で、軽量で持ち運びやすく、アウトドア料理にもぴったりです。(馴染みがない方は、いわゆる飯盒の四角い海外版と思ってください)100円均一ショップでも手に入るため、手に入れるハードルも低く、気軽に始められます。(お店により値段は100円以上します)また、シンプルな構造のため、火を使うのが初めての方にも扱いやすいのが特徴です。メスティンを使うことで、野外での料理がもっと楽しめるようになります。
メスティンと固形燃料を組み合わせれば、場所を選ばず、さまざまな料理を作ることができます。

メスティンでの調理において、冷凍食品は非常に便利な食材です。
ここではシンプルなレシピを紹介します。

冷凍餃子のメスティン蒸し

【材料】
- 冷凍餃子(お好みの種類): 10個
- 水: 200ml
- お好みでタレ(ポン酢、醤油など)
【手順】
①メスティンに水を入れ、その上に蒸し皿や耐熱皿を置きます。
 (皿がない場合はアルミホイルを丸めて代用可能)
②冷凍餃子を蒸し皿に並べ、蓋を閉めます。
③固形燃料と五徳、またはカセットコンロをセットし、メスティンを置いて加熱します。
 10〜15分程度で餃子が蒸し上がります。
④タレを使ってお好みで味を調え、お召し上がりください。

この簡単なレシピは、忙しい日常の中でも手軽に楽しめる料理です。また、冷凍食品を使用することで、時間短縮にもなります。私は日常的にメスティン、固形燃料、冷凍食品の組み合わせで、手を抜きながらも愛情かけておいしい料理を食べています。

4.冷凍食品の魅力

冷凍食品は、忙しい現代人にとって貴重な食材です。種類も多彩で、野菜、肉類、魚介類などさまざまな選択肢があり、冷凍食品をメインとした料理を作ることも可能です。
例えば、冷凍ハンバーグやシュウマイと野菜を使った煮込みです。カセットコンロでお湯を沸かし、冷凍のハンバーグや、シュウマイ、鶏肉などと冷凍野菜を加え、調味料を加えて煮るだけで、簡単でおいしい料理が完成します。味付けを変えることで、バリエーションは無限大。パスタやうどん、ご飯などシメのアレンジもいろいろ試してみましたが、どれもおいしかったです。この煮込み料理は、寒い日や忙しい日の食事としても理想的です。
また、停電時でも冷凍室を開けなければ、3~4時間程度は冷凍食品の品質を適正に保つことができる、と言われています。※一般社団法人日本冷凍食品協会HPより
さらに味の素冷凍食品の「ギョーザ」は停電しても1日程度ならおいしく食べられることが確認されています。

5.料理のアレンジと工夫

あまり料理が得意でない方でも、冷凍食品を使った基本的なレシピを覚えれば簡単にアレンジすることができます。例えば、冷凍のハンバーグがあればロコモコができます。お弁当用の自然解凍で食べられるシリーズならそのままでも十分ですが、焼いたり、蒸したりすれば熱々でおいしくいただけます。
「それいけ!アンパンマンポテト」と冷凍ミックスベジタブルを一緒に炒めたら見た目も可愛く、食感もバリエーションが増えて楽しい一品になります。
またちょっと上級者になると、冷凍餃子やシュウマイで、カレーやオムレツ、麻婆豆腐を作ることも可能なんです。
調味料の工夫でさらに味を引き立てることもできます。醤油、みりん、味噌などの基本的な調味料を使うことで、様々な味が楽しめます。このように、料理の基本を押さえたうえで、少しずつアレンジを加えていくことで、料理への自信もついてくるでしょう。

6.まとめ

ガスや電気がなくても、カセットコンロや冷凍食品を駆使することで、手軽においしい料理を楽しむことができます。アウトドアだけでなく、日常の料理にも新しい楽しさを提供してくれます。100円均一ショップでも手に入るメスティンや固形燃料を活用することで、さらにバリエーションが増えます。これらのアイテムをうまく活用し、基本のレシピから始めて、新しいアレンジを少しずつ加えていくことで、料理の楽しさを深めることができるでしょう。自分のライフスタイルに合わせた食事作りを通じて、料理の体験を豊かにしていくことが大切です。シンプルで効果的なアプローチで、ガスと電気がない状況でも満足のいく食事を楽しみましょう。特に冷凍食品を使った簡単なレシピを試してみることで、気軽に料理を楽しむことができます。ぜひ、挑戦してみてはいかがでしょうか。

執筆者:国際災害レスキューナース 辻 直美
※コラムの内容は、筆者の経験に基づく見解です。
2024/9/20掲載