Profileプロフィール

ギョーザの製造ラインや、製品検査機器の開発業務、製品包材開発業務、生産設備の開発など幅広い業務に従事。2021年からは、DXやスマートファクトリー構想の達成へ向けた生産機器開発に取り組んでいる。

「人を楽しませる」、
その起点から専門性を活かす

大学時代は電気電子を専攻していたそうですが、
食品業界に興味を持ったきっかけは?

専攻にこだわるのではなく、「人を楽しませること」をやりたいと思っていました。食べることは好きでしたし、食で「人を楽しませること」ができるのではないかと考え、食品業界に興味を抱きました。味の素冷凍食品の社員は、仕事に誇りや熱意を持っており、それが強く印象に残りましたね。人柄の良さもあり、「この人たちと一緒に仕事をすれば楽しい」と思えたことが入社の決め手になりました。

実際に、これまでを振り返ってみていかがですか?

これまで検査機を中心に様々な機械開発に携わってきましたが、当社は技術や設備開発だけでなく、そこから生産工場への導入と稼働のフォローまで行います。工場の方々から、「作業が楽になった」、「これいいね」などの言葉をいただくと、それまでの苦労も吹き飛び、大きなやりがいを実感します。常に意識しているのは、開発した技術や機械を、みなさんが安全安心に使えるようにすることです。間接的ではありますが、その過程でお客さまに高品質な商品をお届けできているので、「人を楽しませること」の一助にはなれていると思っています。

これまでの経験で、何か印象に残っていることはありますか?

入社2年目から工場のギョーザの製造ラインの担当を経て生産技術開発に就き、製品検査機の開発全般を担当しました。当時、生産工程で課題だったのが、原料に混入していた夾雑物(きょうざつぶつ)でした。目視検査や製品検査機で除去することで対処していましたが、検査精度をさらに向上させることは、安心・安全な商品を届けるために必要不可欠なことです。そこで、より高精度に検出できる検査機開発に取り組みました。何度も効果検証を重ね、無事、独自に改良した高精度な検査機を開発し導入できました。安心・安全を確保した商品の実現に寄与できたと感じています。

他にも、「賞味期限」印字に関して取り組まれたとも聞いています。

読みやすい賞味期限印字の開発ですね。商品パッケージに印字されている賞味期限は、インクを使用した印字機でしたが、冷凍環境や輸送時の影響などで、お客様に製品が届いた際に読みにくくなってしまうことがありました。食の安全という観点から、賞味期限印字は明確でなければなりません。そこで印字の劣化が少なく、読みやすさを維持した、インクを使わない印字機を導入検討しました。しかし、今までの生産ラインと同じ条件にすると、経時変化は極めて少なくなりましたが、印字が細すぎて読めないという課題が発生しました。その後1年をかけて印字の原理からはじまり、どうすれば読みやすくできるか。トライ&エラーでテストを重ねて改良し、生産ラインへの導入を実現しました。課題であった読みにくさを解決するということが主題でしたが、従来の印字機で必要だった工程を改良することにもつながり、結果として生産コストの削減にも寄与することができました。

生産ラインのDX推進

現在は、DXに関する取り組みを行っているそうで。

所属する生産技術開発部は、「冷凍食品事業の企業価値を向上させるため、生産技術でスペシャリティを創造し続ける」ことを基本方針としています。生産機器の中には、過去から改良を重ねて使いやすくなっているものの、運転操作に機械ごとの「くせ」や「コツ」が必要になることがあります。こういった目に見えない機械の特徴を今まで培った知見やアイデア、技術を組み合わせて可視化し、安定稼働させるための手段の一つである「生産ラインのDX推進」が私の取り組んでいる主な業務です。

生産ラインのDXとは、
具体的にどのようなことをしているのですか?

取り組んでいるのは生産ライン全体の更なる自動化の推進です。一つ例に挙げると、機械ごとの「くせ」や原料の状態に応じた細かな調整などがあるため、機械を一人前に操作できるようになるには時間がかかり、私も入社当時苦労した経験があります。こうした工程の中で行っているノウハウを、今まで培ってきた知識や最新技術を活用して数値化をおこなったり、機器の振動や出来上がった商品の状態から、異常箇所を予兆するなど、ノウハウに頼らない生産設備へと進化させていくことを取り組んでいます。こうした積み上げによって今までにない「革新的な生産ライン」へと進化させていくことが目標です。

当然、そこには品質の確保が求められるわけですよね?

はい、もちろん商品の品質は絶対です。生産機器のデジタル技術を導入し生産ラインそのものを改革する方法の一つがDXです。革新的な技術の導入によって、高品質な製品を生み出す機器の開発を行っていくことはもちろんのこと、調整作業の自動化や、構造的に発生するロスの極小化、そして働く人にとっての安心安全、これらを実現し、誰でも簡単に扱える成型機を目指しています。

一日の生活

  1. 8:30~

    出社。
    国内外工場や関係部署からの問い合わせに返答、メールチェック
  2. 9:00~

    ギョーザ成型機の改良のための設計、
    テスト準備
  3. 12:00~

    社員食堂で昼食
  1. 13:00~

    グループミーティングで
    予定と課題の議論、
    商品開発メンバーとの打ち合わせ
  2. 14:00~

    ギョーザ成型機の改良工作、
    成型機テスト
  3. 16:45

    テスト結果のまとめ、今後の改良の検討
  4. 17:15

    退社

自由な発想でチャレンジする

今後は、DXに注力をしていくのですか?

目標は言うまでもなく今までにない「革新的な生産ライン」。早期に目途をつけて導入、実証をし、本格稼働を実現したいと考えています。そのために、自由な発想を心がけ、従来の思考にとらわれない発想でチャレンジしていきたいと思っています。やりがいと手応え十分のフィールド、それが味の素冷凍食品です。