Profileプロフィール

入社後、研究開発センターにてお弁当品や総菜品の開発に従事。その後、新製品の開発や工業化支援、安定生産支援に携わる。2021年より現職。中長期的な商品開発に向けた基盤技術の開発を担当する。

畜産・水産資源に代わる新素材を

冷凍食品のポテンシャルに惹かれて入社を決めたそうですね。

そうですね。もともと大学院では、機能性食品のキー素材となる成分を研究していたので、必然的に食品業界を見て回りました。その中で、味の素冷凍食品と出会ったことがきっかけです。それ以外にも、面談時の真摯な姿勢や社員のいきいきとした姿に惹かれたことも大きかったです。

現在はどのようなお仕事を?

私がチームリーダーを担当する基盤技術グループの大きなテーマは、商品で使用している肉や魚(すり身など)に代わる新素材の開発です。SDGsとも関連する重要なテーマであり、畜産・水産資源の持続可能な利用に向けて、それらに代替可能な素材が求められています。植物由来の素材を中心に開発を進めていますが、畜産・水産資源と同様の「おいしさ」を確保することを追求しています。

まさに「おいしさ」を生み出す、ポテンシャルのある仕事ですね。

その通りです。同時に、実際に商品に応用した際の品質管理や生産上の課題についても研究を進めています。研究というと少し内向きなイメージもありそうですが、単にその世界に閉じこもっているわけではなく、新商品となりうる可能性のある素材の「おいしさ」という価値を、技術的データとして裏付け、営業の商談資料として提供したり、お客様にその魅力を伝える活動も行っています。
また、「おいしい」に加えて「楽しさ」や「驚き」も届けたいと思っています。そのため、そういった情緒的な価値は、どのような現象から得られるのかを検討・追求していくことも、新素材そのものの探索と併せて重要なテーマになっています。

なんだか、最先端とも言える取り組みですね。

そうですね。社会の変化やSDGsといった流れの中で、新しい視点を持った取り組みです。現在はそういった新素材の開発を担当していますが、入社当初は、お弁当品や総菜品など、商品そのものの開発を担当していたこともあります。ラボでつくったものが工場で量産化され、消費者の手に届く、明確に目に見える形で成果がわかることにやりがいを感じていました。形は違えど、商品開発は色々な部署や関係者と関わることができますし、結果が売上につながります。そうしてみんなで喜びを分かち合えることにもやりがいを感じています。

新商品プロジェクトで感じたこと

新素材の開発では、難しさもあるのではないですか?

業務用の特注品で「ノンミートパテ」という商品がすでに市場に流通しているのですが、私が四国工場に在籍していた際に、この工業化支援を担当しました。植物由来の素材を使った新規性の高い商品だったことに加え、肉とは物性が異なることから新たな製法の確立や設備が求められました。生産開始も迫っていたため、プロジェクト完遂には工場の一体化が必要だと感じ、改めて関係者に対しプロジェクトの意義を伝え、協力を要請しました。みんなが一致団結した結果、生産日の調整や設備の準備など、通常1ヶ月かかるプロセスを2週間で行い、無事初回生産を迎えることができました。なぜ、これをやるのか。その意味を共有し、周囲を巻き込んでプロジェクトを動かすことの重要性を再認識しました。

味の素グループで取り組まれた「ビクトリープロジェクト」にも
携わっていたそうですね。

味の素グループのアスリートサポートの一環で行われた案件ですね。「For ATHLETE ギョーザ」という商品を開発したのですが、その名の通り、アスリートのために、アスリートのコンデションを整えることを目指したギョーザです。栄養面と脂分に考慮したところが特徴的で、さっぱりとしたサラダ感覚のギョーザになります。オリンピックに出場するアスリートの方々に試作品を提供したのですが、「おいしい」と高い評価をいただくことができました。あまりの嬉しさから、オリンピックの観戦にも熱が入りましたね。(笑)

一日の生活

  1. 8:00~

    出社。メールチェック
  2. 9:00~

    新素材開発テーマの進捗確認
  3. 10:00~

    チームメンバーと打ち合わせ
  4. 11:00~

    文献調査などの情報収集
  5. 12:00~

    試食
  1. 13:00~

    試作品の評価。次回検討の方向性決め
  2. 16:00~

    次回打ち合わせに向けた資料作成
  3. 17:00

    メールチェック。明日の業務確認
  4. 17:30

    退社

粘り強く、ひたむきに

では最後に、今後の目標を教えてください。

私自身の実感ですが、当社では若いうちからチャレンジできる風土があります。失敗しても周囲のフォローがある。だから失敗を怖れずチャレンジでき、それが成長を促していると思います。そうした環境の中で、「おいしさ」や「驚き」の種となる技術を生み出し続けていきたい。そしてそれらの技術を結集して、当社の「ギョーザ」と並ぶ、次世代の核となる商品、会社の顔となる商品を開発することが目標です。その実現に向けて粘り強く、ひたむきに取り組んでいきたいと思っています。