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賞味期限延長によるフードロス削減

「フードロス削減の取り組みを知りたい」というお声をいただいております。
そこで、味の素冷凍食品(株)で実施している取り組み例を紹介します。

フードロスがどのぐらい深刻かご存知ですか??

現在、フードロスが深刻化しており、令和元年の日本では年間約522万トン、国民1人当たり年間約41kg、1日に換算すると約113g(=お茶碗一杯のご飯の量)のフードロスが発生しています。「総務省人口推計(2020年10月1日)令和元年度食料需給表(確定値)」
この課題に対し、味の素冷凍食品(株)は賞味期限の延長によりフードロスを削減することを目指しました。

日本人1人あたりの冷凍食品消費量は年間約23kg。
冷凍食品の消費量世界一のアメリカ人の消費量は年間約40kgです。

「1人当たりの年間食料廃棄量・冷凍食品消費量」

▲ 資料:日本冷凍食品協会「令和2年冷凍食品に関連する諸統計」

そもそも冷凍食品の賞味期限がどのぐらいかご存知でしょうか。

多くの商品は製造から1年間で設定されています。
しかし、味の素冷凍食品(株)は日々の研究で1年以上保管できる製品があることもわかってきました。

冷凍食品の賞味期限は、冷凍食品が作られるようになった当時、年1度収穫される野菜を翌年の収穫まで保管するため、1年間の保管期間が必要だったことに由来しています。
参考:「社団法人 日本冷凍食品協会, 冷凍食品の品質と安定性, 1981, p.342.」

賞味期限延長へ挑戦!

これまでの賞味期限設定は、「1年間保管可能か」という視点で、厚生労働省と農林水産省から提示されているガイドラインに則り、官能検査※等の検証を行ってきました。
一方で今回の取り組みでは目的を改め、「いつまで保管可能か」という新しい視点で検証を行いました。
そして、1年間に囚われず検査結果を分析し、各製品の特徴に合わせて「ギョーザ」など一部製品で更に長い賞味期限設定を行いました。

※実際に見て、食べて、外観・色沢・香り・味・食感を評価すること

▲ 開発チームでのギョーザの官能検査の様子
※コロナ感染拡大防止策をとり安全に配慮し撮影しております。

「アイスや氷菓は賞味期限が無いのに、なぜギョーザや炒飯などには賞味期限があるのですか?」という質問が寄せられることがあります。 解答は、冷凍食品は冷凍保存していても品質の劣化を抑えることができないため、です。例えば賞味期限以上に冷凍食品を保存すると、色やにおい等に大きな変化が見られることがあります。

▲ トマトピラフの比較 生産直後(左)長期保存後(右) 長く保存すると退色する製品もあります。

この賞味期限の見直しによるフードロス削減は、冷凍食品メーカーの中でも先駆的な取り組みと考えています。今後もこの活動を継続することで冷凍食品業界全体に波及させ、フードロス削減が社会全体に広がることを期待しています。

以上、賞味期限延長によるフードロス削減への取り組みの紹介でした。 次回の特集記事もお楽しみに!

(2022年9月1日掲載)