当時、シェアのデータは3ヶ月ごとに集計されることになっていた。新しい販売体制を整えてしばらく経ったとき、ついにシェアを逆転することに成功したのだ。その後、巻き返されてトップの座は奪還されたが、ある程度のシェアを安定的に確保することができるようになっていた。
群馬での一件で、進藤は身をもって多くのことを学んだ。課題を与えられたときに、はなから無理だと諦めずに正面からぶつかっていくことの大切さ。そして、情熱をもってメンバーが一体となれば、味の素グループには組織として動いてくれる度量がある、ということである。それは、いまも変わらない信念として、進藤が胸に抱いていることだ。
ある週末、進藤はいつものように妻と自宅近くのスーパーに出かけた。買い物がてら冷凍食品の陳列棚に出向き、乱雑になっている商品をきれいに並べ替えていた。長年、身についた習慣だ。傍らには呆れながらも目に笑みをたたえる妻がいる。その視線を感じながら、進藤は手を動かしつづけた。