―冷凍食品は、社会構造の変化を反映する食文化のひとつである。
冷凍食品を考えるとき、いつも家田の心に立ち止まる視点だった。女性の社会進出などにより、冷凍食品市場そのものが広がってきた。冷凍食品を使うことへの抵抗感も次第になくなりつつある。そして、今後は、さらに高齢社会の成熟、子育ての支援を社会に求める傾向から、冷凍食品の宅配という購入手段は一層ニーズが高まっていくだろう。その中で、味の素冷凍食品が果たすべき役割とは……。
家田がめざすもののひとつは、商品だけでなく営業対応などにおいても「安心できるNo.1」であることだ。確かな仕事をしてくれるから安心できる、トラブル時の対応が速いから安心できる、期待に応えてくれるから安心できる…。じっくりと築き上げる安心できる関係が、味の素冷凍食品の未来につながっていくと確信している。
ある昼下がり、家田がパソコンに向かって企画書を書いていると、生協の担当者から電話があった。
「“じっくりえび”と“トマソーチキン”、売れ行き好調ですよ」
受話器を置いた家田は、その旨を手短にまとめるとスタッフ全員にメールを送信した。
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