すっかり秋めいた2003年10月、業務用事業部の永井のもとに一本の電話がかかってきた。
「黒豚ギョーザの採用が決定したので、在庫を増やしておいてください」
永井は受話器を手に深く頭を下げた。味の素冷凍食品にとって難攻不落だったスーパーへの足がかりをつかんだ瞬間だった。

きっかけは、そのスーパーで惣菜のギョーザの売上げが伸び悩んでいるという情報である。その突破口として試みたのが、異なる種類をもう一品置くことでギョーザ全体の売上げアップをめざそうという提案だった。味や素材、形状が異なる数種類のギョーザの中から、黒豚ギョーザに白羽の矢が立ったのである。

業務用の冷凍食品には、大きく分けて外食、給食、惣菜の3つ分野がある。永井が主に担当するのは、そのうちの惣菜である。惣菜は新しい分野だけにチャレンジしがいがある、と永井はとらえていた。2002年10月、社内に惣菜プロジェクト会議が発足したことも追い風となった。

他の食品メーカーから転職してきた永井は、味の素ブランドのパワーを実感している。だが、もちろんそのことにあぐらをかくつもりはない。現場ではブランド以上に人間関係が重要となる。味や素材など食品に関わるものだけでなく、梱包形態などの要求にもきめ細かく対応していくことが、担当者との信頼関係を育み、いい結果へとつながっていくのである。

黒豚ギョーザの導入を足がかりに、そのスーパーではチキンライスの導入へとつながっていった。すべてのことは、つながっていく。人も、商品も、そして信頼も。今後、取り組みたいことはたくさんある。他のどのメーカーよりも提案力で課題を解決していく「No.1チャレンジャー」をめざし、永井の営業活動はつづく。

ある日、永井は社内の仲間と共に外食チェーンに食事に出かけた。味の素冷凍食品が商品を卸している店だ。写真がずらりと並ぶメニューの中からその料理を見つけると、店のスタッフにオーダーした。
永井 潤 jun nagai
業務用事業部 西日本営業部 (現在も同部署にて活躍中)
2001年入社
農学部卒業
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