保崎がめざすのは、販売店や卸問屋との信頼関係に基づいた「必要とされるNo.1」である。そのためには、冷凍食品メーカーとして単に商品をすすめるだけでなく、常にマーケティングを意識して他メーカーではできない提案を行っていくことが欠かせない。その活動を通じ、「味の素冷凍食品に頼んでよかった」「商品を入れてよかった」という言葉を聞くのが、なによりの喜びなのである。
販売店の売上アップだけでなく信頼関係を深めるうえでも成功を収めた利益拡大プロジェクトでも、担当者からうれしい言葉をいただいていた。だが、自分がイメージした総合的な提案のすべてが実施されたわけではなかったため、心から満足することはできなかった。保崎の掲げるハードルは、本人が意識せずとも高くなっている。それは、保崎自身が進歩している証だ。
ある夕方、保崎はいま担当している大手スーパーに出かけた。冷凍食品売り場に足を運ぶと、棚割をチェックして気づいたことを手帳にメモした。 |